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行動データ×購買データの活用で平均購買頻度10%UP。みなとみらいエリアの商業施設で集客・買回りを促進

行動データ×購買データの活用で平均購買頻度10%UP。みなとみらいエリアの商業施設で集客・買回りを促進

三菱地所株式会社

2020.11.15

KEYWORDS

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  • #小売店
  • #店舗分析
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三菱地所グループは、横浜のみなとみらいエリアで主要な商業施設である 「MARK ISみなとみらい」「ランドマークプラザ」「スカイビル」を運営しています。

今回は、2019年1月18日から同年3月31日まで、みなとみらいエリアで三菱地所とunerryが連携して行った、行動データと購買データをかけあわせた販促施策の実証実験をご紹介します。また、プロジェクトの旗振り役として参画された、運営事業部 商業施設運営ユニット 丸岡 聖様に取り組みの背景を伺いました。

<この記事のポイント>
● 「集客」 「施設来訪」 「来店」 「購買」と、施策ごとに散らばっていたマーケティングデータを紐付け
● 行動×購買分析が導く、購買率を大幅UPさせたリアルタイム情報配信
● デジタルとリアルが連動した施策は、地域活性化にも大きな可能性

集客から購買まで一連の顧客行動をデータ化、販促施策の効果を検証

これまで三菱地所は、商業施設の集客・販促施策を行った際、購買結果は把握できるものの、購買に至るまでの施設来訪やテナント回遊といったプロセスの状況把握が困難であるとの課題感をもっていました。

そこで本施策では、スマホアプリ「みなとみらいスタンプラリーアプリ」とunerryが提供するリアル行動データプラットフォーム「Beacon Bank®」の活用で、商業施設に来訪する顧客群の行動を見える化。購買情報と紐付け、一連のデータに基づいた集客・販促施策を実施し、その効果を検証しました。

スマホアプリと「Beacon Bank®」の活用で、顧客の行動と行動データを紐づけて計測

※本検証においては名前や電話番号など、個人を特定できる情報は一切取得・使用しておりません。また、取得した行動情報は、個人を特定できない状態で統計情報化し、マーケティング目的として使用しました。
※スマホアプリ「みなとみらいスタンプラリーアプリ」は現在サービスを終了しています。

ビーコンとアプリで行動導線を捕捉し、回遊に応じた施策が可能に

今回の実証実験では、商業施設の共用部およびテナントに合計382個のビーコン端末を設置。このビーコンとスマホアプリの反応により、ご利用者がいつどの順番で施設内を回遊したかの行動把握が可能となり、このメッシュに応じたマーケティング施策を講じられるようになりました。

また、施設内に計4箇所にスタンプスポットを設置。近づくとスポット内のビーコンに自動的に反応し、アプリ操作なしで自動的にスタンプが貯まる体験で施設内回遊をお楽しみいただきました。また、テナントより78種のクーポンが提供され、アプリ利用も促進されました。

行動データによる「再来店促進」、来店時「リアルタイムレコメンドによる販売促進」の効果は?

本施策を開始してからご来店を計測した方々に向けて、ホワイトデーキャンペーンのソーシャル広告を配信したところ、期間中に約37%のお客様が再来店し、うち約8%のお客様がキャンペーン対象店舗で購入されました。配信者に対する購買率は約3.0%となり、広告由来でご来店したお客様のキャンペーン店舗での平均購入金額は3,214円でした。

また、来店者の購買データから「ある店舗で買い物したお客様は、ほかどのような店舗で買い物されているか」を分析し、購買における店舗間の相関を可視化。ある店舗にお客様がご来店された際に、相関性の高い別の店舗のクーポンをリアルタイムプッシュでご案内することで回遊、購買を促進しました。

一例としては「ファッション店舗」や「飲食店舗」にご来店されたお客様に「ジェラート店舗」のクーポン情報を配信したところ、約5.9%がご来店し、購買率は約3.8%となりました。

これらの結果、みなとみらいアプリをご利用のお客様の購入回数は施策実施前と比べ19.8%向上。アプリ利用者の志向にあった情報をタイムリーに案内することで、行動・購買が大きく促進されることが明らかになりました。

リアルタイムレコメンド実施の流れ

アプリ利用者の平均購買頻度は10%UP。地域全体の活性化にも示唆

本実証実験の結果、アプリ利用者の平均購買頻度(1ヶ月あたり)は施策実施前と比較し、5.5日から6.1日へと約10%向上。

また、商業施設に立ち寄ったお客様は同日に横浜の多くのレジャー施設にも立ち寄っていることが明らかになりました。

本施策は施設・テナントそしてお客様への提供価値を高めたと考えられますが、商業施設内における回遊促進だけでなく、来街者に対して行動ビッグデータに基づく行動促進施策を実施することで地域全体の活性化にも繋がることを示唆する結果となりました。

INTERVIEW

unerryとのパートナーシップの決め手は、ビーコンアプリのノウハウと実績

三菱地所株式会社 運営事業部 商業施設運営ユニット
丸岡 聖様

――実証実験を実施した背景を教えてください。

当社グループでは、イベント実施など販売促進活動の効果測定を入館者数や売上実績などに基づいて行っていますが、施策成否を判断する上では行動データと購買データを連動した分析も必要と感じていました。また、様々なテクノロジーが登場している中で依然としてネットとリアルが連動した施策や効果測定の仕組みが整っていない状況についても課題と思っていました。

こうした中でビーコンを用いた行動データの収集分析やアプリ活用を通して回遊・買回りを促進することができるかについての検証を行うことになりました。

――パートナーとして、なぜunerryを選ばれたのでしょうか。

実証実験の内容から、施設全体やテナント様の売上貢献への可能性を感じられたことはもちろん、unerryには既にビーコン活用の十分な実績があったことで安心して話を進めることができました。

また、今回の実証実験においては行動データと購買データの紐付けが可能になるオリジナルアプリの活用が重要でした。アプリをゼロから開発するとコストも時間もかかるものですが、unerryにはこうした施策に必要な機能を備えたアプリのテンプレートやノウハウがあり、負荷なく進められることが決め手でした。アプリについては、ダウンロード数も目標としていた数を達成し、情報取得の許諾や各種データの登録率も非常に良い数値となりました。

[取材日] 2020年8月19日 ※内容は取材当時のものです。

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