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東京メトロの駅・路線を利用する訪日外国人の動きを可視化 「Beacon Bank for インバウンド」が「行動DNAアナライザー」を進化させる

東京メトロの駅・路線を利用する訪日外国人の動きを可視化 「Beacon Bank for インバウンド」が「行動DNAアナライザー」を進化させる

株式会社メトロアドエージェンシー

2024.07.12

KEYWORDS

  • #Beacon Bank for インバウンド
  • #ダッシュボード
  • #行動DNA
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株式会社メトロアドエージェンシーとunerryは、駅・路線利用者のリアルな動きを起点とした、顧客理解を深めるためのダッシュボード「行動DNAアナライザー」を2021年に共同開発しました。

「行動DNAアナライザー」は、unerryの「Beacon Bank」に蓄積されるリアル行動データに基づき推定された東京メトロの各駅・路線別の利用者デモグラフィックデータ(性年代、居住エリア・勤務エリアなど)や、興味関心の傾向を偏差値で表現した「行動DNA」を解析可能です。従来よりも具体化されたペルソナを設計でき、緻密かつ粒度の高いコミュニケーション戦略の立案や広告プランニングの実現をサポートします。(「行動DNAアナライザー」開発については【こちら】

本事例では、「Beacon Bank for インバウンド」の機能を取り入れた「行動DNAアナライザー」の進化についてご紹介します。

東京メトロの駅・路線を利用する訪日外国人の動きはどのように可視化されるのでしょうか?またその狙いについて株式会社メトロアドエージェンシー 営業本部 統合メディア局 統合メディア部 栗原 義徳様、堀江 雄様に聞きました。

<この記事のポイント>
● 東京メトロ駅を利用する訪日外国人の構成比を国籍別に分析
● 訪日外国人における主要駅の併用率等を可視化、利用者の行動傾向も把握
● 国内&インバウンドの分析を同時に実現する独自のデータ基盤を構築 打ち手としての広告配信も強化へ

インバウンドデータ対応版「行動DNAアナライザー」で東京メトロ駅利用者の動きを分析

「Beacon Bank for インバウンド」は20カ国超のユーザーの詳細な人流データを捉える分析・可視化サービスです。主要な訪問ルートやエリア別の滞在日数、店舗や駅、道路といった施設単位での人流や来訪者の興味関心などを分析可能です。

今回のアップデートでは、2023年10月~12月の3ヵ月を対象として、東京メトロの駅を利用する指定の10カ国の訪日外国人データを「行動DNAアナライザー」上で分析できるようになりました。

以下の図は、駅利用者の国籍別構成比を可視化したものです。

アジアからの来訪が全体の7〜8割程度を占めており、特に池袋駅、上野駅では顕著です。欧米圏の国としてはアメリカが最も多い傾向です。

次に、主要駅間の併用率を分析しました。

地理的に近い銀座&新橋&築地や渋谷&表参道&明治神宮前の間には高い回遊率が見られるようです。

また、秋葉原駅に来訪した人の21.0%、明治神宮前駅に来訪した人の19.6%の人が前後30日の間に池袋駅に訪れていることがわかります。アニメやポップカルチャー好きの観光客がこれらの駅を回遊しているのかもしれません。

下記は浅草駅利用者の行動傾向を示す図です。各スポットを「外食」「ショッピング」「生活・サービス」などを中心とした約70の場所カテゴリに分類し、指定した期間内に対象となるユーザー群が足を運ぶ度合いを偏差値で可視化(「インバウンド観光DNA分析」)しています。数字が大きいカテゴリほど興味関心を持っていると考えられます。

浅草駅利用者の多くのカテゴリで積極的な来訪がありますが、特に「和菓子・甘味処」や「丼物・定食」「居酒屋」「焼肉・鉄板焼」など日本式の飲食店への来訪が多いようです。

実際に浅草駅付近の人流ヒートマップを見ても、和菓子店舗の多いエリアでの反応が多いことが可視化されています。

※取得データには、氏名、電話番号等の特定の個人を識別する情報を含まず、東京メトロからのデータ提供は一切ありません。

INTERVIEW

国内&訪日外国人の両者の移動を捉える独自のデータ基盤で包括的な提案が可能に

株式会社メトロアドエージェンシー 営業本部 統合メディア局 統合メディア部 栗原 義徳様、堀江 雄様

――「行動DNA アナライザー」のインバウンド版対応を決めた背景について教えてください。

堀江様:
メインクライアントのひとつである鉄道会社様や観光関連施設様において、インバウンド対応は戦略上の重要パートとなっています。

コロナ以前より、当社へのインバウンド向けのプロモーションのご相談も増加傾向にあり、訪日外国人に人気の観光スポットをおさえた東京メトロ鉄道網のメリットを生かした提案を行っていました。ただ、データという面ではオープンデータに頼らざるを得ない状況でしたので独自性を打ち出せずにいたことが課題でした。

栗原様:
たとえば国内向けの「行動DNAアナライザー」では、駅の併用利用や利用者のペルソナ分析など、東京メトロの駅に紐づいた分析が可能です。そこで、新型コロナが落ち着きをみせ、インバウンドに対するプロモーションニーズの急回復を迎えたこともあり、訪日外国人のデータにも同様のことができたらいいなと思い始めていました。

そうした中で、タイミングよくunerryのご担当者から「行動DNAアナライザー」とインバウンドデータの連携の提案がありました。「行動DNAアナライザー」をアップデートすることで、インバウンド向けのプロモーションにおいても独自データに基づいたロジック構築やプランニングが可能になると期待し、まずはスモールスタートで進めることにしました。

堀江様:
本当にタイミングが良かったですね。「行動DNAアナライザー」の活用は浸透していたので、社内においてもダッシュボードの使い方やデータの読み解き方など、リテラシーが上がっていました。インバウンドデータは国内データと特性が異なりますが、担当者と丁寧な調整を重ねたことでこれまでの「行動DNAアナライザー」から使用感を変えずにアップデートできたと思います。

――インバウンド対応版「行動DNAアナライザー」のご使用感について教えてください。

栗原様:
オープンデータではまず捉えることのできないデータ粒度ですので、クライアントにとっても目新しく、ご期待いただけていると思います。また国内版の「行動DNAアナライザー」と同じく、駅利用者の趣味嗜好を理解できる(「インバウンド観光DNA」)のは他にはないので、嬉しいですね。各駅利用者のイメージは持っていましたが、イメージはあくまでもイメージなので、ファクトに基づいて提案できると説得力が異なります。

堀江様:
現在は国内プロモーションを既に進めているクライアントにご提案することが多いです。国内向けの施策の延長線上にインバウンドを加える形ですね。国内とインバウンドという違いがありますが、同じ駅や施設を利用する方々です。両方の動きを捉えた包括的なプロモーションを行った方が効果的ですし、改善提案もより精度高く行えると考えています。

インバウンド対応に強い広告代理店は多いですが、国内とインバウンドの両者を独自データで分析できることは強みになっていると思います。

インタビューにご協力いただいたお二人 :堀江 雄様(左) 栗原 義徳様(右)

さまざまな外部データとの連携で分析の質を高め、打ち手としての広告配信も強化

――unerryへの、今後の期待について教えてください。

栗原様:
「行動DNAアナライザー」での分析結果を踏まえ、さらに打ち手としての広告配信(インバウンド向けプッシュ配信)も強化していきたいと思います。

ちょうど現在、鉄道会社の観光プロモーションでインバウンド向けプッシュ配信を実施中ですが、国内向けのプッシュ配信と比較しても、反応率は3〜4倍という非常に高いパフォーマンスが既に出ています。今後も成功事例を積み重ね、クライアントに提案できる幅を増やしていきたいですね。

堀江様:
「行動DNAアナライザー」はもともと”東京に集う人々を真に理解する”という想いのもと、開発が始まりました。

今回はインバウンドデータでのアップデートでしたが、理解をもっと深めるために「行動DNAアナライザー」をもっと多くの外部データと連携させていきたいです。

unerryさんでは、購買データやテレビ視聴データとの連携事例が増えていますよね。「行動DNAアナライザー」においてもさまざまな種類のデータとの組み合わせを行い、分析の質を高めていきたいと思います。

――最後に、今後の展望について教えてください。

栗原様:
交通広告においては、メジャメント(効果計測)が長らくの課題です。マス広告やデジタル広告と比較して、仕組み上、どうしても広告出稿効果がわかりにくい状況が続いており、社内だけでなく業界全体で取り組んでいます。

では「メトロアドエージェンシーとして、どうしていくのか?」と考えたときに、やはりデータは重要な部分になると思います。交通広告に接触した人の人数だけでなくデモグラフィックやサイコグラフィックが分かり、かつ接触後にどんな行動をしているのかがわかれば、圧倒的に強い媒体になれるはずです。

unerryさんの人流ビッグデータの活用で、解決できる課題もあるのではないかと思いますので、一緒に取り組みを進めていければと思います。

[取材日] 2024年7月9日 ※内容は取材当時のものです。

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