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2022.12.05

加藤丈峰(ともたか)

位置情報が変える店舗マーケティング! 3つのメリット & 5つの活用法をご紹介

位置情報が変える店舗マーケティング! 3つのメリット & 5つの活用法をご紹介

こんにちは。unerryのマーケター加藤です。

昨今、位置情報の活用に取り組まれる企業も増えてきました。しかし、具体的に位置情報でどのようなことができるのか、何が良くなるのかが分からないという方も多いかと思います。

本記事では、店舗マーケティングにおける位置情報のメリットや、具体的な活用法をご紹介しています。位置情報の活用に興味を持たれている方の参考になれば幸いです。

■位置情報を店舗マーケティングへ活用するメリット

位置情報を活用するメリットは、施策の立案から改善までの各フェーズにおいて様々あります。中でもunerryのお客様から特にご評価いただくことの多い3つのポイントを、私の実感も交えつつご紹介します。

メリット①:位置情報を用いることで、マーケティング施策の来店効果がわかる

位置情報を活用することで、OOH広告※やSNS広告、アプリプッシュ広告などのマーケティング施策が、実際にどのくらいの来店に繋がり、それぞれの広告の来店単価は何円なのかがわかります。

webサイト上でのコンバージョンだけではなく、実店舗への「来店」をコンバージョンとしたマーケティング施策の評価・改善につなげることが出来る点で評価いただくことが多いです。来店計測はGPSやBeacon(ビーコン)を活用し、屋内・屋外問わず、高精度での測定が可能です。

※OOH広告:Out Of Homeの略。サイネージ広告や交通広告などの屋外広告のこと。

メリット②:オフラインの行動を使ったweb広告のセグメント配信ができる

各種の広告媒体側で用意されている、興味関心でのセグメントやリターゲティング広告などの、web上の行動を元にしたターゲティングだけでなく、特定の店舗や施設への来訪といった、オフラインの実行動を元にしたターゲティングが可能です。

私自身、unerryに入る前から広告運用はしていたのですが、来店などの実行動を促進する場合は、同じく実行動のデータである「位置情報」を活用したターゲティングとの相性が良いように感じています。

位置情報を活用した広告セグメントでは、「店舗周辺に今いる方への広告配信」、「自社の商圏にお住まいの方への広告配信」、「競合店舗によく行く方への広告配信」、「特定カテゴリの店舗(飲食店や百貨店など)によく行く方への広告配信」などが可能です。

メリット③:お客様のオフライン行動を分析することで、顧客像をより明確にできる

マーケティング施策を考えるにあたり、ペルソナの作成やカスタマージャーニーの設計をする機会があるかと思います。しかし、実在するような顧客像を作ることはなかなか難しいと感じたことはないでしょうか?

位置情報を活用することで、「実際のお客様の行動」というファクトを元に顧客像の作成が可能になり、より正しく自社の顧客を捉えることができるようになります。

自社のお客様の日常の行動傾向(外食によく行く、ジムによく行く、等)を可視化することで、より実態に即したお客様のペルソナ像を作り、販促施策につなげるケースが多いです。

※プライバシーを配慮し、お客様一人一人の行動履歴は算出せず、お客様全体の平均としてどのような行動傾向があるかを算出いたします。また、行動傾向は位置情報の活用に許諾いただいているお客様のデータのみを利用しております。

■店舗マーケティングにおける位置情報の5つの活用法

次は、店舗マーケティングにおける位置情報の活用方法について、unerryでも実績の多い5つの代表的パターンをご紹介します。

活用法①:【来店計測】来店効果までを考慮した、マーケティング施策の評価への活用

来店効果検証

GPSやビーコン技術を利用することで、web広告やOOH広告(屋外広告)、アプリプッシュ広告などから、実際にどのくらい来店につながったのかを可視化することが可能です。

これにより、各広告ごとの来店人数、来店率、来店単価を分析し、来店効率の良い広告媒体や訴求の改善に繋げることができます

来店率では、最寄り駅の利用者のうち何%が来店しているのかや、商業施設来訪者のうち何%が自店舗に来店しているのかなどの歩留まりを可視化することも可能です。また、来店人数はもちろん、来店者の属性や来店頻度、競合との併用率なども可視化できます。

来店計測の事例はこちら▼

活用法②:【広告】“今いる位置”を用いたプッシュ広告への活用

プッシュ通知

 

店舗周辺や最寄り駅周辺などの、特定の場所に今いる人に対してアプリでプッシュ広告を配信し、来店集客に繋げます。

配信対象のエリアにいる人が何人で、プッシュ広告により何人が来店したのかまで可視化できるため、来店効率の良いオーディエンスの検証が可能となります。

折込チラシの代替として、位置情報を活用したプッシュ広告を実施するケースが多く、来店効率も良くなったという意見をいただくことが多いです。

具体的な活用例)

  • ・自店舗から半径100m以内にいるお客様をターゲットとして、タイムセール情報の広告を配信
  • ・自店舗の最寄り駅付近にいるお客様をターゲットとして、来店誘導の広告を配信

活用法③:【広告】“オフラインの行動傾向”を用いたターゲティング広告への活用

SNSでの広告配信

指定した任意の店舗をよく利用する人(競合店舗や、関連施設への来訪者、など)や、 特定のジャンルのお店によく行く人(居酒屋によく行く人、ジムによく行く人、など)といった、“オフラインの行動傾向”を元にしたターゲティング広告の配信が可能です。

オフラインの行動には、お客様のパーソナリティがより濃く反映されるため、その“オフラインの行動傾向”を活用した広告配信は反応率が高くなることが多いという実感です。”訴求軸に合わせて”狙いたいターゲットをオフライン行動データから抽出できるという点が強みとなります。また、位置情報を活用することで来店まで計測することができるので、来店効率の高いセグメントの検証も可能です。

各種SNS広告や、Google広告、DV360などの媒体で広告配信ができます。

具体的な活用例)

  • ・直近3ヶ月の間に競合店舗を利用したお客様をターゲットとして、セール情報やリニューアル情報の広告を配信
  • ・居酒屋やレストランなどの外食を頻繁に利用する人をターゲットとして、飲食店の新店舗オープン広告を配信

オフラインの行動傾向を活用した広告の事例はこちら。ECへも送客できます。▼

活用法④:【顧客分析】お客様の商圏可視化、競合との商圏比較への活用

位置情報を分析することで「自店舗に来店しているのは、どのエリアに住んでいる方が多いのか」を可視化できます。

商圏を把握することで、チラシ投函エリアの改善や、web広告の配信エリア改善に利用することができます。また、競合店舗の商圏も分析できるので、お客様の居住地を競合と比較し、拡大可能性のある商圏や販促を検討するのにも適しています。

下記は商圏分析の可視化例です。マップの濃い青色部分が自店舗の商圏で、水色とオレンジ色に塗られた部分が指定した競合店舗の商圏といった風に可視化ができます。自社と競合はどの商圏に強いのか、自社の認識との違いはあるか、競合との境界線はどこか、拡大可能性のある商圏はどこか、といった問いに対しての示唆を得ることができます。

※居住地は主にGPSから取得した位置情報より推定しております。ピンポイントでの特定が不可能となるよう、データをランダマイズしています。

商圏分析の可視化例

活用法⑤:【顧客分析】オフラインの行動傾向を元にしたペルソナ作成への活用

自社のお客様の、日常のオフライン行動傾向からお客様のペルソナを作成することで、「妄想ペルソナ」から脱却し、販促施策をデータドリブンに強化します。

ここでは、日常どんなジャンルのお店に行くことが多いのかを自社のお客様とそれ以外の方とで比較し、自社のお客様の特徴を可視化します。

お客様の日常の行動傾向の可視化例▼

行動DNA可視化例unerry独自の指標「行動DNA」

上図では縦軸の50を標準値とし、50よりも高い施設は「よく行く施設」、逆に50を下回る施設は「あまり行かない施設」となります。これはunerry独自の指標であり、「行動DNA」と名づけています。

この例では、自社の女性客は、「カラオケ」「バー」「居酒屋」「整体」「大学」によく行くが、「ファッションショップ」「アクセサリーショップ」にはあまり行かない、といったことが分かります。そこから、例えば以下のような示唆を見つけていきます。

  • ・若い方が多く、特に大学生が多い。カラオケや居酒屋など、友人と活発に外食や遊びに出かける
  • ・ファッションやアクセサリーなどで着飾るよりも、身体を内側から整えることを重視している

このように、実際のデータから自社のお客様について深堀りを行い、販促施策に繋げていくケースが多いです。

オフラインの行動傾向(行動DNA)を元にした顧客分析の事例はこちら▼

本記事では、店舗マーケティングにおける位置情報の3つのメリットと、5つの活用パターンを紹介させていただきました。

位置情報は個人に関連する重要なデータで、プライバシー問題に細心の注意を払う必要があります。一方、位置情報を活用することで、社会や企業活動をより良くすることができると思います。そのため、プライバシーに配慮しつつ”お客様のためになる”位置情報の活用を広めていけたらと考えております。

取り上げた内容以外にも、位置情報を活用したマーケティング支援リテールDXスマートシティ構築など幅広く取り組んでおりますので、より詳細を知りたい方は資料よりご確認ください。

位置情報の活用を検討されている方はお気軽にお問い合わせください。

この記事を書いたのは

加藤丈峰(ともたか)

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unerryの自社マーケティングをしています。趣味はボルダリング。休日は都内のボルダリングジムを開拓しています。

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