レポート
2021.10.28
うねりの泉編集部
デジタルチラシへの挑戦!行動データで成果が見える「販促DX」〜スーパーマーケット事例でご紹介〜
本記事は2021年7月19日に開催されたウェビナー「デジタルで新規獲得! チェーンストア業態の“成果が見える販促DX”」の内容をイベントレポートとしてお届けするものです。
unerryでは、位置情報ビッグデータを活用することで、成果の高い販促施策を多数実現しています。本ウェビナーでは、特にチェーンストア業界における成功パターンの「型」の一部をご紹介。
試行錯誤を繰り返す中で得られた“成果が見える販促DX”の手法について、たっぷりとお話させていただきました。
当日のスピーカーは、小売のお客様とご一緒に販促DXに取り組んでいる山本です。
減少傾向の折込チラシ、デジタルチラシにも悩み
チェーンストア業界における主要な販促施策の一つである折込チラシの発行状況は、コロナにおける緊急事態宣言下で自粛が行われたことも影響し、減少の兆しとなっています。また、今後の発行意向については、自粛の反動からか「増やしたい」が微増となっている一方で、「減らしたい」も4割を超える高水準となっています。
折込チラシ以外の販促手段については、「電子チラシ」「SNS」「スマホアプリ」などデジタル施策に注目が集まっていますが、2018年から2020年にかけて「実施していない」という回答が増加。
「折込チラシ施策の見直しが検討されているものの、実際には代替となる施策を実施できていない」そういったお悩みがデータから推察されます。
3つのお悩みと3つのアプローチ
「ポイントカードの利用比率が少なく、実際にご来店いただくお客様がどこからいらしているのか分からない。コロナでお客様行動が大きく変化するなか、本当の競合店がどこなのか自信がなくなってきた」(商圏・顧客理解)
「新聞を購読していない(折込チラシが届かない)若者にも情報を届けたいが、デジタルチラシをどう使っていいかわからない」(販促手法)
「チラシが実際の来店にどれくらい結びついたのか、その効果が見えにくい。効率的に予算を使いたい。」(効果測定)
小売業のお客様からよく伺う、販促活動に関するお悩みです。
そうしたお悩みを解決し、デジタルチラシで効率よく顧客を獲得するため、unerryは以下3つのアプローチを提案します。
unerryではスマートフォンの位置情報ビッグデータを蓄積しており、自店舗へのお客様だけでなく競合店を利用している方のリアルな行動データを分析することが可能です。具体的には、客数やシェア率、町丁目単位でどこから人が来ているのかといった商圏分析や、性別や年齢、普段どんな場所カテゴリの店に行く人がお客様であるのかを推定し、その理解を深めることができます。
販促手法へのアプローチ ⇒ デジタルで狙い撃ちチラシ
以前よりご来店頻度が下がってしまったお客様だけに配信、近くにお住まいなのに競合客ばかりを利用している方だけに配信、といったように狙いたいお客様だけに予算を集中して使うことができます。
効果測定へのアプローチ ⇒ デジタルチラシ効果測定〜改善サイクル〜
デジタルチラシを配信したことで、競合店からどれくらいのお客様が実際にスイッチしてくださったのか、休眠されていたお客様が何人来てくれたのかなどの施策効果を行動データから可視化することができます。また、様々な施策を繰り返していく中で、効果の高い施策だけを残すことができ、改善サイクルに繋がります。
「ショッパーみえ〜る」&「Beacon Bank AD」で“成果が見える販促DX”を
3つのアプローチを組み合わせ、“成果が見える販促DX”を実現する2つのソリューションが、ダッシュボードツール「ショッパーみえ〜る」と、位置情報活用したデジタル広告「Beacon Bank AD」です。
「ショッパーみえ〜る」で商圏・お客様像を可視化し、「Beacon Bank AD」で狙い撃ちのデジタル広告を配信。さらに効果検証をする中で、効率のよい施策だけを残し成功確度を高めていくというサイクルの構築は、unerryが現在多くのお客様と取組む中で具体的な成果を上げている「勝ちパターン」の一つです。
■「ショッパーみえ〜る」
「ショッパーみえ〜る」には、既に日本全国5万店舗ほどのデータが蓄積されています。その中身についても少しだけご紹介します。
以下は、「ショッパーみえ〜る」のダッシュボード画面です。とあるエリアのスーパーマーケットを比較したグラフが表示されています。(実際には、実在の店舗名が表示されています)
「ショッパーみえ〜る」サンプル画面
左のグラフは、来店者数のシェア率を月別で示しています。このグラフを見ると、店舗Bが2021年年明け頃からシェア率を落としており、代わりに店舗Dが伸ばしています。具体的な要因を探ってみると、店舗Bは改装を行っていたというニュースがありました。改装が客足に影響していたのかもしれません。
右のグラフは、一週間合計を100%とし、曜日別にどれくらいの集客があったかを示したものです。店舗Bは土日で集客できているものの、水曜日木曜日がやや苦戦。店舗Aや店舗Dにお客様をとられている様子です。また、一言に「競合」と言っても、戦うべき店舗は実は曜日ごとに異なっていることが推察されます。(グラフは、時間帯別に切り替えることも可能です)
「ショッパーみえ〜る」サンプル画面
こちらの図は、各町丁目におけるシェア1位の店舗を色別で示しています。店舗に近いエリアではシェアを取りやすい一方、バスや電車の路線、幹線道路などによっても商圏が別れているようです。
その他、「ショッパーみえ〜る」では、ご来店のお客様の年代や性別の構成比(推定)、来店頻度別の割合の他、普段のお買物傾向からわかる嗜好性の分析などが可能となっています。
「ショッパーみえ〜る」で「見えること」
■「Beacon Bank AD」
「ショッパーみえ〜る」でお客様行動を分析し、解決すべき課題や狙うべきターゲット像を発見した後は、いよいよ実際の販促施策です。
「Beacon Bank AD」では、ソーシャルメディアやプッシュ広告を使い、店舗の認知や集客を促進します。
来店効果の計測はGPSやビーコンなどの位置情報技術を活用していきます。来店はもちろん、特にメーカー様とのお取り組みの際には、特定商品が置かれる店内の「棚」まで訪れているかの計測を行うことも可能です。
狙いたいお客様へピンポイントに広告配信&効果計測のセットで施策を打てることが「Beacon Bank AD」の大きな特徴です。
代表的な施策パターンとしては、「離反されているお客様に再び来ていただくための施策」そして、「競合店舗を利用しているお客様にスイッチいただくための施策」の2つがあります。
たとえば、前者であれば「ショッパーみえ〜る」で分析したお客様の嗜好性に合わせた訴求をすることで高い成果を出すことができます。後者なら、競合店舗にない自店舗の特徴をアピールすることで、「普段は行かないけど、今日は行こうかな」と思っていただけるかもしれません。
呼びたいお客様の嗜好性や目的によってクリエイティブを出し分け、伝えるべき事をお伝えしていく配信が、高い効果を得られる傾向です。
■「Beacon Bank AD」における2つの戦略
折込チラシ月1回分の金額からでも実施可能です。まずは「号外デジタルチラシ」として試してみてはいかがでしょうか。
「ショッパーみえ〜る」で可視化・分析し、「Beacon Bank AD」で狙いを定めたお客様にアプローチ&効果計測からPDCAサイクルを作り上げる。
以上、unerryが提案する「成果が見える販促DX」のご紹介でした。
質疑応答コーナー
当日いただいた、質問の一部をご紹介します。
A.はい。ツールの使い方はもちろん、データの見方や、ダッシュボードからどんな課題を発見できるかといったコンサルティングサービスは付帯しておりますので、これまでデータ分析に触れてこなかった方でも安心してご利用いただけます。
A.メーカー様の場合は、店舗集客だけでなく商品が配架されている「棚」までお客様を呼べたかが重要になります。ビーコンを設置すれば、「棚来訪」の計測が可能となりますので、そういったご提案をさせていただくことが多いです。
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