BtoBオンラインイベント集客に「行動データ」を活用。CTR 1.92%のSNS広告を実現し、WEB指標も改善
ブラザー販売株式会社
2021.05.12
KEYWORDS
- #SNS広告
- #イベント集客
ブラザー販売株式会社は、インクジェットプリンターやラベルプリンターをはじめとした様々な製品を提供するブラザーグループにおいて、国内マーケティングを担う企業です。プロモーション活動や展示会、イベントなどを開催し、お客様のお困りごとに対し、製品やソリューションを提供することを目的に活動されています。
2020年は新型コロナウイルス感染拡大の影響で多くのリアルイベントが中止となり、世の中全体でオンラインイベントへの移行が進みました。今回はイベントマネジメントで豊富な実績をもつ博展、そしてunerryの2社が連携して提案し、ブラザー販売にご採用いただいたBtoBオンラインイベント集客のための「リアル行動ビッグデータを活用したターゲティング広告」の施策をご紹介します。
取材にご協力いただいたのは、同社ビジネスソリューション事業部の今村 綾子様とマーケティング推進部の林田 雅樹様です。
● スピード感を求められたオンライン移行に貢献した、オフラインの行動データ
● テーマの近い過去イベント参加者へのSNS広告で集客効率向上
● 興味関心度の高いターゲットへのアプローチは、直帰率などWEB行動上でも大きな改善
「リアル行動ビッグデータ」から、熱量の高いユーザーを発見する
ブラザー販売はこれまで、マーケティング施策の大きな柱の一つとして、自社イベントの開催やその他の展示会への出展を積極的に行ってきました。
しかし、コロナ禍においては展示会自体が中止になったり、リアルでの開催が難しくなったため、ブラザー販売においてもオンライン展示会への移行を決定。製品やソリューション提案のための場を創出すべく、BtoBに特化した自社サイト「ビジネスNAVI」上に「オンライン展示会」ページをオープンしました。
ブラザー販売株式会社のオンライン展示会
リアルな展示会であれば、イベント参加者がブースに立ち寄ってくれることで新規リードを獲得できますが、オンライン展示会においては広告配信など、より主体的な集客施策が必要となってきます。そこで、効率的にオンライン展示会に集客を行うため、unerryと博展がご提案したのは、「リアル行動ビッグデータを活用したターゲティング広告」です。
こちらは過去に実施された関連イベントに来訪したと推定されるユーザーをunerryのリアル行動データプラットフォーム「Beacon Bank®」でセグメンテーションし、TwitterやFacebookなどのSNSを通じて広告を配信する仕組みです。実際にこれまで展示会に足を運んでいた、熱量の高いユーザーにオンライン展示会を告知し、効率のよい集客につなげることができます。
今回ブラザー販売が公開したオンライン展示会は、リテール企業向けソリューションの内容であったことから、過去実際にリテール向けのリアルイベントに来訪したと推定される方を抽出し、広告を配信しました。
広告の配信フロー。過去にリアルイベントに来訪したと推定される方を抽出することで、高パフォーマンスな広告を配信。
※本施策においては名前や電話番号など、個人を特定できる情報は一切取得・使用しておりません。
過去リテール展示会来訪者のクリック率は1.92%、WEBサイト上の行動指標も改善
今回のターゲティングについては、過去のリテール展示会来訪者への配信に加えて、興味関心層への配信も行いました。
Twitter広告における配信結果
Twitter広告での配信結果について、過去リテール展示会来訪者における期間トータルでのクリック率は1.92%となりました。
興味関心層においても、トータルで1.21%とSNS広告の平均的な実績と比較すると非常に良い結果となりましたが、過去の行動ログを活用することで、さらに0.7%以上も高いスコアを出せたことは、リアル行動データを活用したターゲティングの有効性が示される結果となりました。
また、ランディングページとなった展示会サイトの分析を行ったところ、サイト直帰率が下がり、回遊率も向上していた、ということが分かり、集客以外の効果も見られました。リアル行動に基づいたセグメント設計を行うことで、親和性の高いユーザーを効率的に発見でき、高い広告効果を得られた事例となりました。
本ターゲティング広告はリアルイベントへも適応が可能です。リアルの場合は店舗やイベント会場にビーコンを設置することで、広告を配信したユーザーが実際に来訪したかどうかの効果検証分析も可能となっています。
INTERVIEW
不測の事態でも、いち早くデジタル展示会を開催
ブラザー販売株式会社
ビジネスソリューション事業部 今村 綾子様
マーケティング推進部 林田 雅樹様
- ――オンラインイベント開催を決定された経緯を教えてください。
-
コロナ禍以前、ブラザー販売では「Brother World JAPAN」など自社開催のイベントを含め、全国各地で相当数のリアル展示会に出展してきました。しかし、外出自粛が呼びかけられる中ではこれまで通りの開催が難しく、KPIとしていた展示会経由の案件創出数にも落ち込みが見られました。そこで、「迷っていたら遅れてしまう」という危機感もあり、いち早く移行を決定。5月には最初のオンライン展示会を開催しました。
- ――5月は、相当早いタイミングかと思います。
-
そうですね。でも何が成功するのかわからないので、「まずやってみる」ということが重要だと考えています。スピード感は我々のチームの強みだと思っています。
また、当社では一昨年頃より、マス広告からデジタル広告への移行自体は進めていました。そのため、オンライン展示会においても大きくは失敗しないだろう、というデジタルに対する勘所のようなものはあったのかと思います。
- ――その中で、今回の行動データを活用した広告にご興味いただいたポイントはどんなところだったのでしょうか。
-
既存の方法に甘んじることなく「新しいことに取り組んでいきたい」とは常に考えていて、博展さんには様々なアイディアをお持ちいただいています。
その中で面白いなと思ったポイントは、通常のリターゲティング広告や拡張配信とは異なる角度での配信ができることです。過去出展したイベントに来訪した人に対して、という設計もターゲット像にマッチしていたのでワクワク感がありました。
- ――取り組んでみてのご感想はいかがですか?
-
実は、2〜3年程前にもジオターゲティングを活用した広告を行ったことはあるのですが、その際に思うような成果がでず、今回に関しても半信半疑な気持ちも一部ありました。
しかし、フタを開けてみると、非常によい数値になっており、社内的にも納得のいく結果でしたので、期間も延長しご依頼しています。CTRだけでなく、WEB行動上でも大きな改善が見られました。非常にホットな状態でのターゲットを獲得できていたのではないかと思います。また、博展さんとunerryが連携しコミュニケーションがスムーズであったことや、配信中から細やかにレポーティングしてくださったことで、非常に安心感をもって取り組むことができました。
- ――今後はどのような施策を検討されていますか?
-
今後は関東圏以外のお客様にも積極的にリーチしていきたい、と考えています。これまでは距離感の問題もあり、思うような集客ができていないという課題がありましたが、物理的な距離を乗り越えられるのもオンライン開催のメリットだと思いますので、引き続きアイディアを頂戴できればと思います。
また、オンラインイベントについては、最初の“型”を作るまでにはリソースを必要としますが、一度“型”が出来てしまえば、比較的小さいコストで数をこなし、PDCAを回すことができます。そうした特長を活かしながら、今後リアルイベントの開催ができるようになった際には、リアルとオンラインをうまく組み合わせていきたいと考えています。今回の取組みも過去のイベントのデータを上手く活用できた事例になったかと思いますが、今後もリアルとオンラインの施策のデータを融合させながら相乗効果を図れる施策を行っていきたく、博展さんunerryさんの力を借りることができればと期待しています。
[取材日] 2020年12月16日 ※内容は取材当時のものです。
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