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「CRISP SALAD WORKS」の来店者の虎ノ門ヒルズワーカー比率を明らかに。データドリブン経営を深めるCRISPが目指す外食産業の再定義

「CRISP SALAD WORKS」の来店者の虎ノ門ヒルズワーカー比率を明らかに。データドリブン経営を深めるCRISPが目指す外食産業の再定義

株式会社CRISP

2024.11.06

KEYWORDS

  • #外食
  • #店舗分析
名称未設定のデザイン (1)

株式会社CRISPは、食材やドレッシングを自由にカスタマイズできるサラダレストラン「CRISP SALAD WORKS」を展開し、年間150万食以上を提供するカスタムサラダのリーディングブランドです。

2014年に第1号店をオープン。東京都内を中心に28店舗(2024年11月1日現在)を擁し、さらなる店舗拡大を見込む同社の成長の秘訣は、徹底したデータドリブン経営にあるようです。本記事ではビル内販促などのマーケティング施策に活かすため、「CRISP SALAD WORKS 虎ノ門ヒルズ店」への来店者をunerryの人流データで分析し、対象オフィスビルのワーカーの来店比率を明らかにした事例をご紹介します。

事例取材にご協力いただいたのは、株式会社CRISP 執行役員 CRISP SALAD WORKS ユニット長 辻 靖様です。

<この記事のポイント>
● 自社アプリで購買データ、アンケートデータ等を取得 人流データはunerryと連携
● 来店者の「虎ノ門ヒルズワーカー」比率をビルの滞在時間から推定して導出
● 主要KPIはダッシュボードで可視化し社外にも共有。デジタルドリブンに店を動かす

来店者における「虎ノ門ヒルズワーカー比率」を人流データから把握

「CRISP SALAD WORKS」は現在、都内のビジネスエリアを中心に、オフィスフロアを持つ大規模複合商業施設への出店を加速しています。毎日の健康を支えるサラダは、食生活が乱れがちなビジネスパーソンのランチ需要に応えるメニューです。特に「CRISP SALAD WORKS」では、自社開発のモバイルオーダーアプリにより手元で事前注文と決済ができるので、オフィスビルで働く忙しいワーカーから好評価を得ています。

CRISPは、アプリにより顧客体験を向上させるためのデータを取得し、データドリブン経営に活かしています。しかし、マーケティング戦略上求められる情報のうち、来店者のどれくらいがオフィスワーカーなのか、テナント入居しているビルの勤務者なのかといったことは把握できていませんでした。

そこで本取組みでは、虎ノ門ヒルズ森タワー内にある「CRISP SALAD WORKS 虎ノ門ヒルズ店」にビーコンを設置することで来店計測をし、来店者のうち虎ノ門ヒルズで働くワーカーの割合を、unerryの人流データ分析で明らかにしました。

虎ノ門ヒルズは、森タワー、ビジネスタワー、ステーションタワーから構成され、いずれも30以上のオフィスフロアを有しています。

調査の結果、虎ノ門ヒルズ店の 平日休日別、昼夜別(昼は11時-15時、夜は15時 -21時の閉店までと定義)の来店者の構成比から、販促施策につながる様々なことが明らかになりました。

Findings 1  ランチタイム以外も大きい虎ノ門ヒルズワーカーのニーズ

昼よりも夜の方が虎ノ門ヒルズワーカーの割合は高く、特に森タワー勤務者にその傾向が高いことがわかりました。ランチタイムを逃した方の遅めのランチや、手軽なのに満足感のある夜ご飯に利用されていると、推察されます。

Findings 2  森タワー勤務者の利用が多く、他虎ノ門ヒルズワーカーは伸びしろあり

虎ノ門ヒルズワーカーのうち、森タワーの勤務者がいずれの調査でも約70-80%超を占め、隣接ビルの勤務者の来訪割合はあまり高くありませんでした。特に夜の時間帯のステーションタワーからの来訪は少ないことがわかりました。

Findings 3  他ビルから夜時間帯に訪れるのは女性の割合が高い

森タワー勤務の来店者は半分以上が男性。近隣のステーションタワーやビジネスタワーからの来店は、女性比率が上がります。特に平日夜の時間帯は、その傾向が高まり、女性割合の方が高くなります。また、休日は全体的に女性比率が高まります。

※取得データには、氏名、電話番号等の特定の個人を識別する情報を含みません。

INTERVIEW

自社アプリで得られない人流データ、unerryと連携しマーケティングの次の一手に必要な分析を実施

株式会社CRISP 執行役員 CRISP SALAD WORKS ユニット長 辻 靖様

――御社はテクノロジーやデータ分野に積極投資されていますが、その背景について教えてください。

外食業界では人材不足や長時間労働、食のウェルビーイングなどに対する課題解決が求められています。

当社はそうした課題を解決するため、「CRISP WAY」として「テクノロジーと人の力をかけあわせ、外食産業を再定義する」ことを掲げています。テクノロジーで強化(Tech Enabled)することで、まずはCRISPが生産性を上げて労働環境を良いものとし、同時に収益を高めることで外食産業のあり方を再定義したいと考えているのです。

店舗体験のDXやオペレーション自動化を推し進めたことで、実際に業界平均の2倍の店舗利益率と20%高い従業員給与を実現できています。

――先日オーダーアプリを使ってサラダを注文しました。トッピングを自由にカスタマイズできて、店舗では商品をピックアップするだけなので便利ですよね。

ありがとうございます。自社開発のオーダーアプリを導入し、現在のデジタル売上比率は98%となりました。アプリで事前に注文できるのでレジ業務がなく、スタッフはサラダづくりと接客に専念できます。

美味しいサラダを提供することは大前提。でも、その上でお客様に「もう一度来よう!」と思っていただけるかは、店舗スタッフが作る空間を楽しんでいただけるかだと考えています。

可能な部分はテクノロジーで自動化し、大事なのは人との掛け合わせです。「CRISP SALAD WORKS」ではお客様へのお声がけを推奨していますが、データを活かしながら心地よい接客を極めていきたいですね。

――データは、具体的にどのように活用されているのでしょうか?

たとえば「CRISP METRICS」と名付けたダッシュボードがあります。売上や注文数、アルバイト平均時給や提供品質、カスタマー満足度まで、CRISPが指標とするKPIを見ることができ、実は社外にも社内版とほぼ同じ項目で公開しているので、ぜひご覧ください。
https://metrics.crisp.co.jp/

売上の多くがデジタル経由なので、ほぼリアルタイムで購買データやアンケートデータが反映されます。「新商品の反応は?」「施策を行ったら、どんな反応があるのか?」といった手応えをすぐに得ることができます。本社の社員だけでなく、店舗の店長やスタッフもデータを見ています。お客様のコメントから改善ポイントを発見したり、「あの店には負けたくない!」とモチベーションを高めたり。デジタルベースで店を動かせているのではないかと思います。

――既にデータ活用を先進的に進める中、unerryに求めたのはどんな点だったのでしょうか?

今回の分析対象とした虎ノ門ヒルズ店に限らず、当社ではビジネスエリアに位置する大型ビルへ多く出店しています。

そうした店舗ではマーケティング戦略を検討する上で「ご来店のお客様のうち、どれくらいの方が周辺ビルでのワーカーなのか?」という点が重要になるのですが、これはアプリ経由では取得できない情報です。

unerryさんの人流データでその割合を知ることで、店づくりやサイネージの情報、ビル内での販促、そして自社アプリでのプッシュ配信のコンテンツにも活かすことができ、マーケティングコストの効率化につながると思いました。ワーカーに喜んでいただける新メニューや周辺ビル限定のデリバリーといったサービスも検討できるかもしれません。

今回の分析では、入居する「虎ノ門ヒルズ 森タワー」の方の割合が想像以上に多いことが分かりました。一方で、隣接する「虎ノ門ヒルズ ビジネスタワー」に入居されている方には、よりご来店いただけるポテンシャルがあると感じたので、今後の施策を考えていきたいですね。

――ありがとうございます。unerryも「虎ノ門ヒルズ ビジネスタワー」に以前入居していたので、ランチ時にはよくサラダを食べていました。最後に、今後の展望について教えてください。

あらゆる取組みは「最高のカスタマー体験」と「最高のパートナー体験」を届けることにつながっています。深い顧客理解とオペレーションの自動化、そしてパートナーの力を最大限引きだせるようなテクノロジー強化を今後も図っていきたいと思います。

今はCRISP自身が試行錯誤し、型を磨いている状況です。しかし今後“圧倒的な収益を生み出す外食モデル”を作り上げることができれば、他の外食企業さんに提供することもできるはずです。

「すごく美味しい料理を提供しているのに運営の問題で店を続けられない」という現状が、外食産業にはあります。素晴らしい料理を出す店が利益を得て、持続的に良いものを提供し続けられる世界にできたらと思います。パーパスにも掲げているように、日本の外食産業を、ポジティブにひっくり返すことが、お約束です。

そのために今後は自社データだけではなく、unerryさんのデータのような外部データとの組み合わせにも積極的に取り組んでいければと考えています。

[取材日] 2024年8月5日 ※内容は取材当時のものです。

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