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クラスター分析でお客様ペルソナを構築&来館計測  10ヶ月超のPDCAで改善が加速する大丸心斎橋店のデジタル広告

クラスター分析でお客様ペルソナを構築&来館計測 10ヶ月超のPDCAで改善が加速する大丸心斎橋店のデジタル広告

株式会社大丸松坂屋百貨店

2022.09.02

KEYWORDS

  • #SNS広告
  • #イベント集客
  • #リアルタイムプッシュ配信
  • #商業施設
  • #行動DNA
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「大丸心斎橋店(だいまるしんさいばしみせ)」は、約300年にわたり心斎橋の地でお客様に非日常を届けてきた老舗百貨店です。2019年には86年ぶりに本館が建て替えられ、歴史を残しつつもモダンな雰囲気の「大丸心斎橋店 本館」がグランドオープンしました。また、2020年には本館に繋がるかたちで同グループ「心斎橋PARCO」もオープン。個性の異なる2つの館はランドマークとして心斎橋の街を盛り上げています。

「大丸心斎橋店」では、既存のお客様も新たなお客様も楽しめる魅力的なイベントが、日々開催されています。今回のunerryとの取り組みでは、人流ビッグデータから発見された代表的な3つのお客様ペルソナとイベントテーマ、そしてクリエイティブとの掛け合わせにより、PDCAサイクルが機能する効率的なデジタル広告を実現しました。

取材にご協力いただいたのは、株式会社大丸松坂屋百貨店 大丸心斎橋店 営業推進部 販売促進担当 中橋 沙絵様です。

<この記事のポイント>
● 人流ビッグデータでクラスター分析 お客様を行動特性によって3つにグループわけ
● 「直近は来館していない」条件を加え新規顧客獲得にフォーカスしたSNS広告
● 「ターゲット×イベント×クリエイティブ」の成功パターンを来館計測で発見

クラスター分析で既存客のペルソナを新規顧客獲得に活かす

「大丸心斎橋店」はこれまでも会員カードやアプリによる顧客データ活用などの施策を積極的に取り入れてきましたが、特に新規のお客様へのアプローチに結びつかないという課題がありました。

そこで、unerryは来館されているお客様の人流ビッグデータをunerryの独自指標「行動DNA(※)」からクラスター分析し、3つの代表的な「大丸心斎橋店ファン」のペルソナを構築。そのペルソナをもとにしたデジタル広告の配信をご提案しました。

今回、具体的には行動特徴から「富裕層」「近隣ビジネスマン・ウーマン」「デパコス好き」の3グループを重点ターゲットに設定し、さらに「直近は来館していない」という行動条件を追加することで新規顧客獲得にフォーカスしました。

※「行動DNA」は、各スポットを「外食」「ショッピング」「生活・サービス」などを中心とした約150の場所カテゴリに分類し、指定した期間内に対象となるユーザー群が足を運ぶ度合いを偏差値で示したunerryの独自指標です。「Beacon Bank」提携アプリユーザー全体の行動傾向を偏差値50としたときに、対象となるユーザー群の度合いを見ることでその特性を把握することができます。

来館計測で広告効果を検証 重点ターゲットを軸に長期&短期での効果改善

集客は毎月テーマを変えて開催されるイベントを軸に実施。人流ビッグデータの分析から得られた重点ターゲット、イベントテーマ、配信クリエイティブの掛け合わせでベースの配信を行います。

月毎に開催されるイベントに集客

加えて、たとえばアート系のイベントの場合は、「普段、美術館に行くことが多い人」といったピンポイントな条件に当てはまるグループを追加するなど、柔軟に配信条件をカスタマイズしました。

また、実際に広告を見た人が「大丸心斎橋店」にご来館されたのかを、unerryの来館計測の仕組みを活用して検証。広告配信期間中にも結果を確認しながら予算配分を決定するなど、短期的なPDCAサイクルが機能するとともに、重点ターゲットのご来館に繋がる「イベント×ターゲット×クリエイティブの掛け合わせにおける成功パターン」を長期的な取り組みの中で発見することで、広告効果の継続的な改善が進んでいます。

※本施策においては名前や電話番号など、個人を特定できる情報は一切取得・使用しておりません。

INTERVIEW

人流ビッグデータも貢献 “世界と未来にむけて進化する百貨店”へ

株式会社大丸松坂屋百貨店 大丸心斎橋店 営業推進部 販売促進担当 中橋 沙絵様

――本取り組みを実施するに至った、「人流ビッグデータ」への期待を教えてください。

今は、1人1台スマホを持っているのが当たり前で、顧客データも人流データも活用可能な「ビックデータ活用の時代」です。多様なデータを使い分け、お客様のお買物行動を敏感に察知する必要があると感じていました。

カードやアプリ活用で既存のお客様向けの取り組みは実施していましたが、たとえば「心斎橋の街を歩いているけど、まだご来店がない」方については、交通広告やテレビCMなどマスでのアプローチしかできておらず、どういった属性の方がいらしているのかも分からない状況でした。

移動データの活用は、unerryさんとの取り組みが初めてでしたが「新規のお客様」へのアプローチについて期待感がありました。

  

300年の歴史を感じさせる「大丸心斎橋店」外観

――今回のお取り組みについて、率直な感想をお聞かせください。

クラスター分析の結果で得られた3つの「大丸心斎橋店ファン」のペルソナ像からは、具体的にお客様が普段訪れている場所がわかるので、より明確なイメージを得ることができました。

そのため、社内における「共通言語」としての役割も果たしてくれ、広告配信の結果を共有する際にも、メンバー間の認識にズレなく成果と課題を共有できたと思います。

説得力あるデータを持って「名づけ」が出来たことで改善サイクルを実行しやすくなりました。集客アプローチを行う基盤が揃ったと感じています。

――本取り組みを開始してから、10ヶ月が経過しています。継続いただけている理由を教えてください。

SNS広告の実施は、今回が初めてではなかったのですが、実際にどの程度来店に繋がったのか行動上の広告効果を検証することができませんでした。

unerryさんのレポートは、どれだけのお客様に広告が表示され、クリックされ、そして来店に繋がったのかまでがセットです。毎月のイベントでの広告結果を受けて、次回の改善に繋げることができるのは継続理由の一つですね。

継続的な改善により、過去の集客施策と比較しても、配信効率はかなり良い結果となっています。

――実際のスタッフの対応は、いかがでしょうか。

分析から広告配信までをトータルでサポートいただいている安心感があります。

当社としては、館のことは理解していますが、広告のプロフェッショナルではないので、配信条件面など「これがいい」と言い切れない部分があります。unerryさんには、やや曖昧な相談であっても意図を汲みとってご提案をいただくなど、柔軟に対応いただけていて、助かっています。また、配信開始後に結果を見ながら予算の振り方を変えることもありますが、その際もスピーディに対応してくださっていると思います。

  

訪れた人を華やかな気持ちにさせる玄関と内装

――今後のデータ活用について教えてください。

数多くのイベントへの集客を実践するなかで、方向性が見えてきたと思いますので、新しい配信方法や媒体を取り入れるなどチャレンジを深めていきたいです。

また、現在は「大丸心斎橋店」といった館全体への集客施策を実施していますが、ご入居いただいているテナント様への集客施策としても良い結果になるのではと思います。

当社にとっても、お客様にとっても、テナント様にとってもメリットのあるデータ活用を推進していきたいですね。

[取材日] 2022年8月4日 ※内容は取材当時のものです。

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