東京都オリンピック・パラリンピック準備局「明日の混雑予報ポータル」にて、NTTデータと共同開発した人流の推計技術が採用されました
2021.11.18
INFO
unerryは、人流情報を高度に推計する技術を株式会社NTTデータ(以下、NTTデータ)と共同開発し、東京都オリンピック・パラリンピック準備局が運営する「明日の混雑予報ポータル」において活用されました。
本技術は、株式会社NTTドコモ(以下:ドコモ)が提供する人口統計情報「モバイル空間統計®」(注1)とunerryが提供するリアル行動データプラットフォーム「Beacon Bank®」(注2)の位置情報データに、NTTデータと共同で開発した拡大推計技術を掛け合わせることで実現しています。
東京都オリンピック・パラリンピック準備局 「明日の混雑予報ポータル」
背景
東京都オリンピック・パラリンピック準備局が整備した「明日の混雑予報ポータル」は、イベント当日と前後1日の街の混雑予報と実績を地図上に表示するもので、イベント期間中の混雑回避を目的に、運用されました。これまで、混雑度を予測するのは単一の人流データソースからでは難しいという課題がありました。今回の共同開発では、リアル行動データプラットフォーム「Beacon Bank」の位置情報データとドコモ携帯電話ネットワークのしくみを使用して作成される人口統計情報である「モバイル空間統計」データを統合的に処理し、それぞれのデータの強みを生かし、弱みを相補することで本課題を解決しました。
概要
本技術では、時間的・空間的分解能の高い「Beacon Bank」のデータを用いてイベント会場などの「特定エリア来訪者」を検出し、来訪前後の位置情報を補間処理することで前後行動を推定します。推定された前後行動に該当する地域メッシュ(500m四方)での集計値に対して「モバイル空間統計」による高精度滞留人口を掛け合わせることで、「エリア来訪者」数の拡大推計(注3)を行います。
本技術の概要
精度評価の詳細については、NTTデータ発表のページをご覧ください
今後について
本技術は、プロ野球をはじめとするスポーツイベントによる周辺混雑への影響の推定や、野外フェスなどのイベント等での活用による、安心な移動の実現や混雑回避の誘発、自治体の観光動態調査、商業施設や商店街でのリアルマーケティングでの活用などに役立てることができます。
unerryの「Beacon Bank」には、人流データをはじめとする実社会の行動データが月間200億件以上蓄積されています。プライバシーに配慮し個人を特定しない形で、様々な統計情報やプラットフォームとの連携を実現することで、位置情報サービスにおける新たな価値提供を行ってまいります。
(注1) モバイル空間統計は、ガイドラインに沿って作成された集団の人数のみを表す人口統計情報であるため、お客さま個人を特定することはできません。なお、モバイル空間統計のガイドラインでは、お客さまのプライバシーを保護するため、個人識別性を除去する「非識別化処理」、ドコモの携帯電話普及率を加味して人口を拡大推計する「集計処理」、さらに少人数を除去する「秘匿処理」を適切に実施することを定めています。
(注2)リアル行動データプラットフォーム「Beacon Bank」は、大量のビーコンをネットワーク化して相互活用できるプラットフォーム(特許技術)としてスタートしました。現在はGPSも含めたリアルタイム人流ビッグデータや「カメラの設置なしで精度良く施設内人数を推定する独自IoT機器(特許技術)」をはじめとした多様なIoTデータとの連携が可能な、リアルな「場所」と「ヒト」をAI解析できるマーケティングプラットフォームとなっています。とりわけ日本全国約210万個(2021年9月現在)規模となったビーコンネットワークには、GPSでは難しい屋内/地下街の店舗単位での高精度な行動ログが集積され、消費者行動が詳細理解できることが強みとなっています。なお、「Beacon Bank」では、個人を特定するデータ・情報は使用しておりません。
(注3)拡大推計とは、同一メッシュにおける(「モバイル空間統計」の滞留人口数)/(「Beacon Bank」の人数)にて算出される拡大比率を、Beacon Bankデータに乗じることで実人数を推計する手法を指します。
*「Beacon Bank」は日本国内における株式会社unerryの登録商標です。
*「モバイル空間統計」は、株式会社NTTドコモの登録商標です。
*その他の商品名、会社名、団体名は、各社の商標または登録商標です。